項目が多岐に渡るため、今回は消費税関係に絞って記載します。
10%への消費税引き上げと同時に軽減税率の導入となりますので、経理負担の増加は
避けがたいものとなっております。以下ご確認ください。
(1) 軽減税率の対象品目について
平成29年4月1日からの消費税率引き上げに伴い、軽減税率が同日より導入されます。
軽減税率は8%で、対象品目は以下になります。
1.飲食料品の譲渡(酒、外食を除く)
2.定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞の譲渡
です。
例えば、同じマクドナルドのハンバーガーを買ったとしてもテイクアウトすると
8%になりますが、店内で飲食する場合には10%となります。
新聞に関しては、定期購読している新聞は8%ですが、駅のキオスクで購入した
場合には10%となります。
(2) インボイス制度について
インボイス制度が軽減税率適用から4年経過後の平成33年4月より導入されます。
制度の流れとしては、
1.税務署に申請して事業者番号を取得する。
2.適格請求書発行事業者となるための手続きを行う。
実際の請求書には上記の事業者番号と消費税額を記載することになり、記載がない場合には
仕入税額控除が原則認められないこととなります。
ただし、上記の事業者番号は課税事業者のみが取得できるため、免税事業者からの
仕入に関しては経過措置が認められます。
平成33年~平成36年・・・仕入税額×80%
~平成39年・・・仕入税額×50%
上記の金額が経過的に仕入税額控除として認められることとなります。
なお、平成29年4月1日~平成33年3月31日までに関しては、請求書や領収書に
税率ごとの消費税額を記載することで代用します。
また、上記の4年間に関しては簡便計算が認められます(基準期間の課税売上高が
5000万円以下の企業は4年間認められ、それ以外の法人に関しては初年度のみ
認められます)。
簡便計算による軽減税率売上割合=軽減税率対象品目の仕入額/仕入総額 または
=連続10営業日の軽減税率対象品目の売上額/上記10営業日の売上総額となります。
軽減税率導入やインボイス制度の導入は中小零細企業及び会計事務所に多大な
事務負担をもたらすことが想定されます。
法案が可決成立している以上、座して待つしかありませんが、適時に情報を入手して
来たるべき日に備えるべきと思います。
茨城本部 楢原 英治
記事のカテゴリ:税務情報