2017年06月

トピックス
新着トピックス
記事カテゴリ
月別アーカイブ
優和ビジネスサポートについて
ご提供サービスのご案内
お問い合わせ
節税についてなど、専門家が税務の事を解説! 決算料0円からの、東京の税理士事務所です。

〒108-0014
東京都港区芝4-4-5
三田KMビル2F

交通アクセス

TEL:03-5484-8888
FAX:03-3455-7777
E-MAIL:
tookyo@yu-wa.jp

お問い合わせ

 
「こんなに交際費使っちゃったら税務署から睨まれますかねぇ・・・」顧問先の社長さんとの間で
こんな会話があったとします。
 この会話での「税務署に睨まれる」ということの本当の意味はどういうことなのでしょうか。
きっと税務調査が入って、その行き過ぎた交際費支出が否認されるといったところなのでしょうが、
そこまで行き着く過程はもっと奥の深いものであったりします。

 そもそも課税庁側が否認をするには、何らかの根拠をもって否認することになりますが、
その根拠というのは国税庁通達であることが一般的なのでしょう。
ただし、国税庁通達は納税者を拘束するものではないことから、納税者側としてはそれに対して
反論をしていくことになるのですが、その時の反論根拠は場合によっては国税庁通達における
解釈の相違や過去における判例、裁決事例などを反論根拠としていくことになるのでしょう。

 ここで、税務における判決と裁決の違いについて簡単に説明しますと、「判決」とは裁判所
としての税法解釈であり、「裁決」とは国税不服審判所が示した税法解釈なのです。
 上記のように、税法解釈の相違があった場合に納税者側は課税庁側からの指摘事項に関して
修正申告に応じなければ、課税庁側は「更正処分」を行います。
その処分に納得がいなかない場合、いきなり裁判所に訴訟の提起をするとなると全国各地で
膨大なる税務訴訟が行われ混乱をきたすことから、まずは国税不服審判所へ異議申立てをし、
そこで国税不服審判所の税法解釈であるいわゆる「裁決」が示され、それにも納得がいかない
場合に初めて税務訴訟が提起され、その後は地裁で不服申立てとなると高裁へ控訴し、
さらには最高裁へ上告し、最終的な税法解釈いわゆる「判決」が確定します。

 税務上の見解の相違については、過去に類似した「裁決」や「判決」の事例が集まった
「裁決事例」や「判例・裁判例」を反論根拠としますが、その中でも最終的なジャッジである
最高裁での判決が最も強い反論力があります。
 課税庁側と納税者側の見解の相違におけるせめぎ合いも、最高裁での判例を持ち出された
時点で勝負ありなのです。
これら判例や裁決事例は、法律として明記されていながら「法」として事実上納税者を
拘束することができる、いわゆる「不文法」であり税務の実務においては法と同様の拘束力が
あります。
当然のことながら、もし最高裁で納税者側の主張が勝った場合、すぐに国税庁通達が変わると
いったこともよくあり、最近では財産評価基本通達の一部が改正となった最高裁の判決などは
記憶に新しいところです。

 ただし、税務訴訟において納税者側の勝利する確率は低く、敗北後の延滞税等の追徴課税を
考えるとどこかで「落としどころ」を模索していかなければならないのも事実なのかもしれません。
本来は税務判断における見解の相違も修正申告に応じるかそうでないかも、そこまで考慮して
から判断すべきなのでしょう。


埼玉本部 菅 琢嗣
記事のカテゴリ:その他
 よく税務における会話で「今度税法が変わりまして・・・」とか「税法ではこの様に解釈しておりまして・・・」などと言ったりしますが、実のところそれは「税法」が変わったのでなくて「通達」が変わったにもかかわらず、そのような表現をしてしまっていることが多いのではないでしょうか。(私自身も身に覚えがあります・・・)

 「通達」とは、国税で言うところの国税庁長官が国税局や税務署及びその職員に対して法令の解釈や実務運営指針を伝える文書のことを言い、法令と違い国民(納税者)を拘束するものではありません。

 ただし、これらは課税庁側の勝手な論理において決められたものではなく、過去における判例や裁決などをもとに税法の専門家などが協議立案し国会の審議を踏まえ全国統一で一律の見解が示されたものなのです。

そのようなことから税の実務においてもあたかも法令と同様であるかのように扱われているのもまた事実なのかも知れません。

 それでは、通達に従った解釈がすべて正しいかというとそうとも限らず、例えば財産評価基本通達における時価評価に関しても昨今、金融機関等主導と思しき租税回避スキームが横行しており、確かに通達を形式的、機械的に解釈するならばその通りなのかもしれないものであっても、課税庁側はその行為があまりにもあからさまに租税回避行為と疑われる事案については、「財産評価基本通達第1章総則6項この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」いわゆる「総則6項」を適用して通達とは別の評価額をもって否認することもあります。

 また、納税者側の立場で通達に従った解釈をすることが本来あるべき「時価」とかけ離れた評価なのではと疑われるいわゆる「通達評価がなじまない事案」については、鑑定評価等の方法をもって本来あるべき「時価」を立証していくことも必要なのでしょう。

 このように通達は法令ではありませんが、我々が税務判断を行う上でかなり重要な判断基準であることは間違いないのですが、常に「通達は絶対的ではないという意識」を持ちつつ、適切な解釈判断を心掛ける必要があるのではないでしょうか。


埼玉本部 菅 琢嗣
記事のカテゴリ:その他
 
ページの最上部へ

〒108-0014
東京都港区芝4-4-5 三田KMビル2F
TEL:03-5484-8888
FAX:03-3455-7777
E-MAIL:tookyo@yu-wa.jp