また、非課税資産、例えば車いすの輸出、外国からの利息の受け取りなども
非課税資産の輸出等として、消費税は課されません。
この非課税資産の輸出等は、消費税納付税額の計算上、影響を及ぼします。
たとえば、外国の国債、社債などの運用をされている場合に、この外国で発行
された債権の利息が非課税資産の輸出等に該当します。
これがどのように消費税の計算に影響を与えるかと言いますと次の通りです。
消費税は、基本として預かった消費税から支払った消費税の差額を納付します。
ただし、課税売上割合が95%未満等の場合には、支払った消費税に課税売上
割合を乗じた金額が差し引かれます。
この課税売上割合とは、
課税売上
課税売上 + 非課税売上
仮に、売上が1千万円・消費税80万円・仕入5百万円・消費税40万円・非課税売上5百万円
とすると、課税売上割合以下となります。
1千万円
1千万円+5百万円
= 66.66%
納付税額は 80万円-40万円=40万円ではなく、80万円-(40万円×66.66%)=53万円
となります。
外国債権の利息を受け取った場合には、非課税資産の輸出等として上記の課税売上
割合の分母分子に加算されます。
たとえば、課税売上1千万円・非課税売上5百万円・非課税資産の輸出等5百万円とすると、
1千万円+5百万円
1千万円+5百万円+5百万円
=75%
となり、納付税額は、80万円-(40万円×75%)=50万円となります。
ただし、近年の複雑な金融商品が多種多様に存在します。
その中に外国で発行された債権の利息と判断するのは容易ではありません。
金融資産を購入した際には、非課税資産の輸出等にあたるものか否かを
金融機関等にご確認ください。
東京本部 市川 多余
記事のカテゴリ:資金繰りについて